ミドルは主人公
ミドルは社会の主人公です。また、主人公でなければなりません。社会をつくる要に存在しているのがミドルです。
ミドルが元気な社会はよい社会です。現在、トップや下流、高齢者やニートなどが問題の俎上にのっていますが、心あるミドルが使命感にあふれ、当事者意識をもってことにあたっていくのが健全な社会です。私達はより一層ミドルの現状やあり方に関心を高め、光をあてていかなくてはなりません。
企業や職場での人間関係とコミュニケーションの要はミドルです。仕事や生活は人と人との関係によって成り立ちその接点にいるミドルの熱意と人への働きかけでことの成否が左右されます。血の通った話し合いが少なくなったと言われ、人間社会本来の姿が失われつつあることが心配です。日々生起している企業や職場の問題、働く人のメンタルヘルスなどもこれに起因しているといってよいでしょう。ネット社会とはいえフェイス・トウ・フェイスの生のコミュニケーションが基本です。
ミドルが本気になって仕事と生活を支えてこそ職場や企業が生き生きした存在になります。明日の社会を担う人材を職場で育成しているのもミドルの重要な仕事です。職業人としての能力育成のみならず、社会人としての基本を教えてきたのも日本のミドルの大きな実績です。
バブルの崩壊以降、ミドルによる若年層の育成の機会が失われ、ニート問題などの社会不安のもとにもなっております。ミドルは社会の指導者としての役割を担ってきました。ミドルのあり方が明日の社会をつくる重要なカギをにぎっています。
ミドルが活躍できる環境整備が求められると同時に、今こそミドルの覚悟も大切です。
ミドルと現場主義
①人が育成される場である
働く人の能力は現場での仕事への取り組みのなかで育成される。若い世代は現場の課題やチャンスに取り組むことで仕事能力が格段に向上する。現場で出会う上司や指導者の生き方、身の処し方をいかに学ぶかもその後の人生に大きく影響する。現場における人材の育成こそ日本企業の特色である。
②自己実現とやりがいの場である
新しい仕事に挑戦し、自分の経験や能力を振り絞って工夫し努力する。途中、挫折があればあるほど課題を実現したときの喜びと達成感は大きい。働くことの幸福感。給与や処遇では得られないやりがいを味わえるのが現場である。
③コミュニケーションの場である
現場においては言葉を超えたフェイス・ツー・フェイスのコミュニケーションができる。デジタル化された組織ではメールやインターネットが主流になり、ともすると人間の本来の情報伝達に齟齬をきたしがちである。いきいきした真のコミュニケーションができるのは現場以外にはありえない。
④変化の兆候を肌身で感じる場である
世界の変化、市場の変化を感じ取るのは現場である。変化を受け止め適応するだけでなく、変化を積極的に作り出していくのも現場である。変化に鈍感で全体観を持てない現場は社会の流れに取り残され、今を生きる力を失う。
⑤明日を創る芽は現場にある
明日につながる新商品や新事業の芽は変化の中にある。現場で働く人々が惰性に流されず、「常にこれでよいのか」と自己への問いかけを続けることで芽を手にすることができる。現場に身を置いてこそ変化を嗅ぎ取る嗅覚が磨かれる。
⑥会社を越えて多様なコラボレーションを可能にする
新しい時代の商品や事業の開発は、単独の組織内だけでなく、異なる特色を持った現場がコラボレーションすることでより優れたものになる。現場で長年築き上げられたノウハウや人脈、知恵や工夫が多様に組み合わされることで、時代を変える革新が生まれる。
⑦顧客のために働く場である
お客と接する現場、商品を売る営業前線は最も熾烈な戦場である。その会社の価値が認められるかどうか、勝つか負けるかであり、会社の利益はすべてここから生まれる。そこで働く人々の目が社内に向き、お客のために仕事をする意識や企業風土が薄れていたら、会社は危ない。
⑧企業文化を次世代に伝える場である
現場のコミュニケーションと人材育成の要にあるのがミドルマネジメント層である。行き過ぎた成果主義などにより組織は個々人に分断され、ミドル層の存在感は希薄になった。ミドル層が縦横に活動でき、企業の理念や文化、モラル、技術、ノウハウなどを次世代に引き継ぐところ、それが現場である。
ミドルと イノベーション
すぐれたミドルのイノベーションの取り組みを、目利きのトップが影になり日向になりサポートしてこそ新規事業は推進される。
1を100にした成功体験をもつトップは多くの場合、ゼロから1を生み出すミドルのイノベーションを支えることは難しい。
生きた時間を共有、本音で真実に迫る。
社外の異質の人々と交流 質の高い刺激に啓発される。
※月例会の内容やご参加申込み、リベラルアーツ教育、経営者・管理者研修
の企画・運営など、事務局にお問い合せください。
「経営革新研究会」 毎月第3金曜日・午後
(座長)ジャーナリスト 木代泰之氏
(司会進行)慶応大学教授 経済学博士 齋藤卓爾氏
(創設)東京大学 名誉教授 岡本康雄氏
「記者を囲む会」 毎月第3木曜日・午前
慶応大学教授 経済学博士 小幡 績氏(元大蔵省)
ハリウッド大学院大学 副学長 寺本義也氏
慶応大学教授 経済学博士 齋藤卓爾氏 ほか
コーディネーター長井菊恵子(事務局次長)
『対面』コミュニケーションのリスペクト
コロナ危機は日本企業の問題の本質を炙り出しました。テレワークがニューノーマルに、企業の生産性向上の壁を突破します。ジョブ型雇用と成果主義・AIとビッグデータ活用をはじめ各社各様この変化に対応しています。
一方、生の出逢いがないと感動や進化に欠けることもわかりました。
創造的破壊の時代、ますます必要なのは異業種のビジネスリーダーが集まる社外交流、他流試合の場です。「弱い絆」が新しい発見への気付きの場になります。研究会の参加者は経営者をはじめ人事・教育・企画・開発・研究・新規事業開発担当など明日を創る役員、部長、課長クラスの方々です。
オンラインが急伸、しかし、リアルのコミュニケーションを無視できません。当センターが主宰する「記者を囲む会」と「経営革新研究会」はソ-シァルディスタンスをとり、アクリル板なども用意し対面で開催します。
一流の講師陣と社外人脈を刺激として暗黙知を醸成し、未来構想知を磨きます。
明日をめざすビジネスリーダーのサロンです。